対応表で◎がついている2本のうちの1本が、1627(NF・電力・ガス)とXLU(米国・公益)の組み合わせです。もう1本は、1618とXLE(米国・エネルギー)です。
電気やガスは、景気がよくても悪くても使われます。どちらの国でも、電力・ガスは景気に左右されにくい業種として扱われていて、その性格が同じだから◎にしています。ただ、中身を見ると違いもあります。
1627の中に誰がいるか
1627はTOPIX-17の「電力・ガス」に連動するETFで、東証の業種でいう「電気・ガス業」の会社が入っています。
上位は関西電力(9503)、中部電力(9502)、東京ガス(9531)、大阪ガス(9532)、東京電力ホールディングス(9501)、九州電力(9508)です。2026年7月の有価証券報告書では、関西電力が2割ほどで最も大きく、東京ガスと大阪ガスの2社を合わせると3割近くになります。
XLUの中に誰がいるか
XLUは米国S&P500の公益セクターで、30銘柄ほどが入っています。上位は、ネクステラ・エナジー、サザン、デューク・エナジー、コンステレーション・エナジー、アメリカン・エレクトリック・パワーです。
業種で見ると、電力会社が6割あまり、電気とガスの両方を扱う会社が4分の1ほどで、ガス専業の会社はごく一部です(業種の内訳はSECのN-CSR、2026年3月31日現在)。水道会社も少し入っています。
1627 NF・電力・ガス
上位の構成比
- 関西電力(9503) 18.97%
- 中部電力(9502) 17.11%
- 東京ガス(9531) 14.83%
- 大阪ガス(9532) 14.44%
- 東京電力ホールディングス(9501) 6.88%
出典:EDINET(金融庁)NEXT FUNDS 電力・ガス(TOPIX-17)上場投信 有価証券報告書(2026年7月15日現在)をもとに sectormap.jp が作成
XLU
上位の構成比
- ネクステラ・エナジー 12.89%
- サザン 7.60%
- デューク・エナジー 6.95%
- コンステレーション・エナジー 5.59%
- アメリカン・エレクトリック・パワー 5.24%
出典:SEC EDGAR(Form NPORT-P、2026年6月30日現在)をもとに sectormap.jp が作成
構成比は開示資料の時点の値です。最新の組入銘柄は運用会社のページで確認してください。
どこが違うのか
違いは3つあります。
1つめは、ガスの比重です。1627では東京ガスと大阪ガスが上位に入り、ガス会社が大きな割合を占めます。XLUでは、ガス専業の会社はごく一部です。
2つめは、発電の中身です。XLUの上位には、ネクステラのように風力や太陽光の発電を大きく手がける会社や、コンステレーションのように原子力発電所を多く持つ会社がいます。日本の電力会社は、原子力発電所が動いているかどうかが業績を大きく左右します。1627の最上位の関西電力は、国内で原子力発電所の再稼働が最も進んでいる電力会社です。
3つめは、燃料の調達です。日本の電力・ガス会社は、発電や都市ガスに使う液化天然ガス(LNG)や石炭のほとんどを輸入しています。燃料の値段や為替が動くと、料金に反映されるまでの時間差で、一時的に利益がぶれます。米国は天然ガスの産出国なので、燃料の事情はだいぶ違います。

どこが連動して、どこが連動しないか
2本が同じ方向を向きやすいのは、金利が動くときです。電力・ガスの会社は、発電所や送電網、ガス管にお金を借りて大きく投資し、安定した配当を出します。そのため、金利が上がると割高に見られやすく、金利が下がると見直されやすくなります。この「債券に似た性格」は、日米で共通しています。
ずれるのは、燃料と電力需要の話です。LNGの価格や円安で日本の電力・ガス会社の燃料費が上がる局面や、原発の再稼働の判断が出る局面は、XLUには関係がありません。逆に、米国でデータセンター向けの電力需要が話題になると、コンステレーションやビストラのような発電会社が大きく動くことがあり、これは1627には関係がありません。
私はこう見ています
1627を見るときは、「電力会社」と「東京ガス・大阪ガス」の2つのグループに分けて見ています。そして、日本の長期金利と、LNGの価格、ドル円を横に置きます。1627は、景気よりも、金利と燃料で動く箱だと考えています。
セクターを選んだあと、いつ入るかはテクニカル分析のチャートで見ます。その手法は私のnoteに書いています。