米国のエネルギーセクターETF「XLE」に近い日本のETFは、対応表では1618(NF・エネルギー資源)です。記号は◎、「中身がほぼ同じ」にしています。17業種のなかで◎がつくのは、1618と1627(電力・ガス)の2本だけです。
◎にしたのは、どちらも「原油と天然ガスの値段」という同じ物差しで動くからです。ただ、中を開けると、会社の役割分担はかなり違います。
1618の中に誰がいるか
1618はTOPIX-17の「エネルギー資源」に連動するETFです。東証の業種でいうと、「鉱業」と「石油・石炭製品」の会社が入っています。
上位はENEOSホールディングス(5020)、INPEX(1605)、出光興産(5019)の3社で、2026年7月の有価証券報告書では、この3社で8割を超えています。続いて、コスモエネルギーホールディングス(5021)と石油資源開発(1662)です。
役割で分けると、2つのグループになります。1つは、原油やガスを掘って売るINPEXや石油資源開発。もう1つは、輸入した原油をガソリンなどに精製して国内で売るENEOS、出光、コスモです。比率では、精製・販売のグループのほうが大きくなっています。
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XLEの中に誰がいるか
XLEは米国S&P500のエネルギーセクターで、20銘柄あまりが入っています。上位はエクソンモービルとシェブロンで、この2社で4割ほどを占めます。その後に、コノコフィリップス、フィリップス66、マラソン・ペトロリアム、バレロ・エナジーが続きます。
エクソンモービルとシェブロンは、掘るところから精製・販売までを1社で行う石油メジャーです。そのほかに、原油の開発専業(コノコフィリップス、EOGリソーシズ)、精製(フィリップス66、マラソン、バレロ)、パイプライン(ウィリアムズ、キンダー・モルガン)、油田サービス(SLB)と、エネルギーの流れの各段階の会社がそろっています。
1618 NF・エネルギー資源
上位の構成比
- ENEOSホールディングス(5020) 40.55%
- INPEX(1605) 36.23%
- 出光興産(5019) 11.75%
- コスモエネルギーホールディングス(5021) 4.79%
- 石油資源開発(1662) 3.29%
出典:EDINET(金融庁)NEXT FUNDS エネルギー資源(TOPIX-17)上場投信 有価証券報告書(2026年7月15日現在)をもとに sectormap.jp が作成
XLE
上位の構成比
- エクソンモービル 22.67%
- シェブロン 16.09%
- コノコフィリップス 6.57%
- ウィリアムズ 5.03%
- バレロ・エナジー 4.64%
出典:SEC EDGAR(Form NPORT-P、2026年6月30日現在)をもとに sectormap.jp が作成
構成比は開示資料の時点の値です。最新の組入銘柄は運用会社のページで確認してください。
どこが違うのか
違いは3つあります。
1つめは、パイプラインと油田サービスです。XLE(米国・エネルギー)には、原油やガスを運ぶ会社や、掘削を請け負う会社が入っています。1618には、こうした会社はほとんど入っていません。
2つめは、精製会社の立場です。日本の精製会社は、原油のほとんどを輸入しています。原油高は、INPEXのような「掘る側」には追い風です。一方、ENEOSのような「精製する側」は、高くなった仕入れを販売価格にどこまで転嫁できるかで、業績の出方が変わります。原油価格が上がると、手元の在庫の評価が上がって、一時的に利益が増えることもあります。
3つめは為替です。原油やガスはドルで取引されるので、INPEXのような会社にとって円安は追い風になり、原油を輸入する精製会社にとっては仕入れが高くなります。XLEはドル建てなので、円で見る私たちにとっては、XLEの値動きに為替の分が上乗せされます。

どこが連動して、どこが連動しないか
原油価格が大きく動く局面では、2本はよく同じ方向を向きます。中東の情勢やOPECプラスの生産量のように、世界の原油価格そのものを動かす材料は、日米どちらのエネルギー株にも効くからです。
ずれやすいのは、為替が大きく動くときと、日本の国内事情が主役のときです。円高が進むと、原油価格が変わらなくても、ドルで売る会社の円建ての売上は目減りします。ガソリンの需要や国内の販売価格のように、日本だけの話で精製会社が動く局面も、XLEには関係がありません。
商社との関係
対応表では、1629(商社・卸売)を「実態はXLEに近い」としています。大手商社は、資源の権益から大きな利益を得ているからです。原油や資源の値段から日本株を見るなら、1618と1629を並べると、動きの違いがわかりやすくなります。詳しくは「商社株はXLI(資本財)と同じ動きをしますか?」に書いています。
この業種をもっと知る1冊
石油・電力・ガスの3つの分野を中心に、エネルギー業界の構造や事業を図解で解説した入門書です。日本エネルギー経済研究所の小山堅さんの編です。
私はこう見ています
1618を見るときは、「INPEXと、ENEOSを中心にした精製3社」の2つのグループとして見ています。原油価格が上がっているのに1618が伸びないときは、精製の側と為替を先に確かめます。
XLEと並べるなら、原油の価格(WTI)とドル円も一緒に見る。この3つを並べると、1618のずれがどこから来ているかが見えてきます。
セクターを選んだあと、いつ入るかはテクニカル分析のチャートで見ます。その手法は私のnoteに書いています。