米国の金融セクターETF「XLF」に近い日本のETFはどれですか、と聞かれたら、対応表では1631(NF・銀行)を指しています。記号は○、「おおむね対応」です。
ただ、◎にはしていません。XLF(米国・金融)には、日本の銀行ETFに入っていない会社がたくさん入っているからです。
1631の中に誰がいるか
1631はTOPIX-17の「銀行」に連動するETFで、中身は銀行だけです。上位は三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、みずほフィナンシャルグループ(8411)の3メガバンク。2026年7月の有価証券報告書では、この3社だけで7割近くを占めています。その後に、ゆうちょ銀行(7182)とりそなホールディングス(8308)が続きます。
つまり1631は、「3メガバンクの動き」とほぼ同じと考えてかまいません。地方銀行も入っていますが、1社ずつの比率は小さいです。
同じ銀行を買うETFとして、東証には1615(東証33業種の「銀行業」の指数)もあります。TOPIX-17 の「銀行」は33業種の「銀行業」1つだけからできているので、1631 と 1615 はほぼ同じ会社の集まりです。銀行の中をさらに絞ったものは、銀行のページに並べています。
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XLFの中に誰がいるか
XLFは米国S&P500の金融セクターです。上位には、バークシャー・ハサウェイ、JPモルガン・チェース、ビザ、マスターカード、バンク・オブ・アメリカが並びます。
銀行はJPモルガンやバンク・オブ・アメリカなどで、全体の3割ほど(業種の内訳はSECのN-CSR、2026年3月31日現在)。残りは、ゴールドマン・サックスのような証券会社、保険会社、そしてビザやマスターカードのような決済の会社です。バークシャー・ハサウェイは、保険を中心にさまざまな事業を持つ投資会社です。
1631 NF・銀行
上位の構成比
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306) 31.89%
- 三井住友フィナンシャルグループ(8316) 21.22%
- みずほフィナンシャルグループ(8411) 16.40%
- ゆうちょ銀行(7182) 4.98%
- りそなホールディングス(8308) 3.99%
出典:EDINET(金融庁)NEXT FUNDS 銀行(TOPIX-17)上場投信 有価証券報告書(2026年7月15日現在)をもとに sectormap.jp が作成
XLF
上位の構成比
- バークシャー・ハサウェイ 12.08%
- JPモルガン・チェース 11.55%
- ビザ 7.50%
- マスターカード 5.46%
- バンク・オブ・アメリカ 4.90%
出典:SEC EDGAR(Form NPORT-P、2026年6月30日現在)をもとに sectormap.jp が作成
構成比は開示資料の時点の値です。最新の組入銘柄は運用会社のページで確認してください。
なぜ中身がこんなに違うのか
理由は2つあります。
1つめは、日本の分類が金融を2つに分けていることです。TOPIX-17では、銀行は1631の「銀行」に、保険・証券・カード会社などは1632の「金融(除く銀行)」に入ります。米国のGICSには、この区別がありません。銀行も保険も証券も、まとめて「金融」の箱に入ります。だから、XLFに近いのは1631だけではなく、1631と1632を合わせたものです。
2つめは、決済の会社の扱いです。ビザやマスターカードは、以前はGICSで「情報技術」に分類されていました。2023年の分類の見直しで「金融」に移り、いまはXLFの上位に入っています。1631には、決済の会社は入っていません。

どこが連動して、どこが連動しないか
金利が話題の中心になる局面では、2本は同じ方向を向きやすくなります。銀行は、預金の金利と貸出の金利の差で稼ぐ商売なので、金利の動きが業績に直結するからです。この仕組みは、日本でも米国でも同じです。
ずれるのは、銀行以外が主役のときです。カード決済の量が伸びてビザやマスターカードが上がる局面や、株式市場の売買が増えて証券会社が伸びる局面は、1631には関係のない動きです。逆に、日銀の金融政策のように日本だけの材料で3メガバンクが動く局面は、XLFには関係がありません。
同じ「金利」でも、日本は日銀、米国はFRBが決めます。2つの中央銀行が違う方向に動いている時期には、1631とXLFも違う方向を向くことがあります。
米国の銀行だけを見たいなら
米国の銀行株だけを集めたETFもあります。SPDRの「KBE」(銀行)や「KRE」(地方銀行)です。1631と同じ「銀行だけ」の箱で比べたいなら、XLFよりこちらのほうが近くなります。
ただ、このサイトの対応表はSPDRとVanguardのセクターETFでそろえているので、表にはXLFを載せています。
この業種をもっと知る1冊
2024年3月のマイナス金利解除のあと、金利のある世界に戻った銀行を扱った入門書です。銀行の歴史、収益のしくみ、これからの姿を図解で整理しています。
私はこう見ています
1631を見るときは、「3メガバンクと日本の金利」の組み合わせとして見ています。XLFと並べるより、日本の長期金利のチャートを横に置くほうが、1631の動きは読みやすいです。
XLFと比べるなら、XLF全体ではなく、JPモルガンやバンク・オブ・アメリカのような銀行の部分と比べる。そう分けて見ると、日米の銀行がどれだけ同じ方向を向いているかが見えてきます。
セクターを選んだあと、いつ入るかはテクニカル分析のチャートで見ます。その手法は私のnoteに書いています。