ETFのマーケットメイカーとは何ですか?売買のしやすさとどう関係しますか?

Q. ETFのマーケットメイカーとは何ですか?売買のしやすさとどう関係しますか?

ETFを買おうとして出来高を見ると、1日に数百万円しか売買されていない日があります。「こんなに少なくて、ちゃんと売れるのだろうか」と不安になるのは自然なことです。そこで知っておきたいのが、マーケットメイカーという仕組みです。

流動性とは「思った値段で、すぐ売買できるか」

流動性は、売りたいとき・買いたいときに、思った値段に近いところで、すぐに相手が見つかるかどうかを表すことばです。

株やETFの売買は、買いたい人と売りたい人の注文がぶつかって成立します。売りたい人がいちばん安く出している値段(売り気配)と、買いたい人がいちばん高く出している値段(買い気配)のあいだには、少し差があります。この差がスプレッドです。

マーケットメイカーがいる板といない板をくらべる模式図 左はマーケットメイカーがいない板で、売りと買いの注文が少なく、値段の差が広くあいています。右はマーケットメイカーがいる板で、両側に注文が並び、値段の差が狭くなっています。 マーケットメイカー がいないとき 差が広い マーケットメイカー がいるとき 差が狭い 売り注文 買い注文 値段の差(スプレッド)
イメージ図です。実際の板ではありません。

スプレッドが広いと、買ってすぐ売っただけで、その差の分だけ損をします。売買代金が少なく、スプレッドが広いETFは「流動性が低い」と言われます。

マーケットメイカーは「いつも注文を出している会社」

東証は2018年7月2日に、ETFのマーケットメイク制度を始めました。マーケットメイカーは、東証に登録した証券会社などで、担当するETFについて、決められた量と値幅で売り注文と買い注文を出し続ける役目を持っています。役目を果たすと、東証から報酬(インセンティブ)を受け取ります。

売買の少ないETFでも、マーケットメイカーが注文を出しているので、注文の相手がまったくいない、という状態になりにくくなります。

売買代金が少なくても、スプレッドが狭いことがある

ETFは、中身の株を集めて新しく作ったり、解約して中身の株に戻したりできます。マーケットメイカーは中身の株の値段をもとに注文を出せるので、ETFそのものの売買が少なくても、値段が大きくずれにくい仕組みです。

ETFには「指定参加者」と呼ばれる証券会社が、ETFの口数を増やしたり減らしたりする仕組みもあります。市場価格が中身より高すぎれば口数を増やして売り、安すぎれば買って口数を減らす、という動きで、2つの値段の差が埋まります。

たとえば2026年9月の数字では、運輸・物流ETF(1628)の1日の売買代金は751万円ほどでした。銀行ETF(1631)の2.6億円の30分の1以下です。それでもスプレッドは11.5bps(0.115%)で、1631の13.4bps(0.134%)と大きくは変わりません。

一方で、マーケットメイカーが少なく、ほとんど売買のないETFでは、スプレッドが100bps(1%)を超えることもあります。

対象かどうかの確かめ方

JPX(日本取引所グループ)は、ETFごとに、マーケットメイカーとして登録している会社の数を「マーケットメイカーの参入状況」として公表しています。セクターの地図の「ETFの売買のしやすさ一覧」の「MM」の列は、この資料から取った数です。運用会社のETFのページに載っていることもあります。

ただ、対象のETFでも、いつでも好きな量をすぐに売り買いできるわけではありません。相場が大きく動いたときや、取引の始まりと終わりの時間帯は、値段の差が広がることがあります。

売買のしやすさの見方

ETFを選ぶときは、売買代金だけでなく、スプレッドとマーケットメイカーの数も一緒に見るのがおすすめです。セクターの地図では、扱っているETFの数字を「ETFの売買のしやすさ一覧」に並べています。

売買代金が少ないETFを売買するときは、値段を指定する指値注文を使うと、思わぬ値段で約定するのを防げます。

セクターを選んだあと、いつ入るかはテクニカル分析のチャートで見ます。その手法は私のnoteに書いています。

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