対応表では、1632(NF・金融(除く銀行))の相手もXLFにしています。記号は△、「名前は同じでも中身が違う」です。
1631の記事で、XLF(米国・金融)に近いのは1631と1632を合わせたものだと書きました。この記事は、その片方の1632の話です。
1632の中に誰がいるか
1632はTOPIX-17の「金融(除く銀行)」に連動するETFです。東証の業種でいうと、「保険業」「証券、商品先物取引業」「その他金融業」の会社が入っています。
上位は東京海上ホールディングス(8766)、オリックス(8591)、第一ライフグループ(8750、旧・第一生命ホールディングス)、SOMPOホールディングス(8630)、MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725)で、その次に野村ホールディングス(8604)が続きます。2026年7月の有価証券報告書では、東京海上だけで2割を超え、保険の4社を合わせると半分を超えます。
つまり1632は、「損害保険と生命保険が中心で、そこにリースなどのオリックスと証券会社が加わった箱」です。
※ 本サイトはAmazonのアソシエイトとして、適格販売により収入を得ています。
XLFの中に誰がいるか
XLFの上位は、バークシャー・ハサウェイ、JPモルガン・チェース、ビザ、マスターカード、バンク・オブ・アメリカです。業種で見ると、銀行、証券などの資本市場、決済などの金融サービスがそれぞれ大きな割合を占めていて、保険は1割あまりです(業種の内訳はSECのN-CSR、2026年3月31日現在)。
1632と重なるのは、保険と証券の部分です。XLFの中では、保険会社のプログレッシブやトラベラーズ、証券会社のゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーがそれにあたります。
1632 NF・金融(除く銀行)
上位の構成比
- 東京海上ホールディングス(8766) 24.13%
- オリックス(8591) 11.90%
- 第一ライフグループ(8750) 10.95%
- SOMPOホールディングス(8630) 9.96%
- MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725) 8.61%
出典:EDINET(金融庁)NEXT FUNDS 金融(除く銀行)(TOPIX-17)上場投信 有価証券報告書(2026年7月15日現在)をもとに sectormap.jp が作成
XLF
上位の構成比
- バークシャー・ハサウェイ 12.08%
- JPモルガン・チェース 11.55%
- ビザ 7.50%
- マスターカード 5.46%
- バンク・オブ・アメリカ 4.90%
出典:SEC EDGAR(Form NPORT-P、2026年6月30日現在)をもとに sectormap.jp が作成
構成比は開示資料の時点の値です。最新の組入銘柄は運用会社のページで確認してください。
なぜ△なのか
XLFの中で1632と重なる部分は、全体の一部にすぎません。XLFの上位にいる銀行と決済の会社は、1632には入っていないからです。
逆に、1632の中心である損害保険会社は、XLFの中では大きな存在ではありません。日本では、東京海上・MS&AD・SOMPOの大手3社が損害保険の市場の大部分を占めていて、この3社が1632の上位に並んでいます。

どこが連動して、どこが連動しないか
株式市場全体が大きく動く局面では、2本は同じ方向を向きやすくなります。証券会社は売買が増えれば伸び、保険会社は集めた保険料を株や債券で運用しているので、どちらも市場の動きの影響を受けるからです。
金利も共通の材料です。生命保険会社は保険料を長い期間運用するので、金利が上がると運用の利回りが上がりやすくなります。
ずれるのは、それぞれの国の事情が主役のときです。日本の損害保険会社は、大きな自然災害が起きると保険金の支払いが増えます。また、損保の大手は、取引先の株を持ち合う「政策保有株」を減らす方針を示していて、その売却の進み具合も材料になります。XLFの側では、JPモルガンのような銀行や、ビザ・マスターカードの決済が主役になる局面は、1632には関係がありません。
1631と合わせて見る
XLFと比べるなら、1631と1632を並べて見るのがいちばん近い形です。銀行の動きは1631で、保険と証券の動きは1632で見て、XLFがどちらに近い動きをしているかを比べる。そうすると、米国の金融株が「金利」で動いているのか、「市場全体」で動いているのかが見えてきます。1631のことは「銀行ETF(1631)はXLFの日本版ですか?」に書いています。
この業種をもっと知る1冊
生命保険と損害保険、それぞれのビジネスのやり方と儲けのしくみを図解で解説した入門書です。1632の中心にいる保険会社が、何で稼いでいるのかがつかめます。
私はこう見ています
1632を見るときは、「東京海上を中心にした損保3社と、生保の第一ライフグループ」をひとかたまりとして見ています。保険会社は株式市場の動きと金利の両方に反応するので、1632の横には、日本株全体のチャートと日本の長期金利を置いています。
セクターを選んだあと、いつ入るかはテクニカル分析のチャートで見ます。その手法は私のnoteに書いています。