対応表では、東証の「商社・卸売」(1629)を米国の「資本財」(XLI)に対応させています。米国のGICSという分類で、総合商社は資本財の中の「商社・流通」に入るからです。
ただ、私は1629を見るとき、XLI(米国・資本財)は見ていません。XLE(米国・エネルギー)のほうを見ています。
1629の中に誰がいるか
1629はTOPIX-17の「商社・卸売」に連動するETFで、上位は三菱商事(8058)、伊藤忠商事(8001)、三井物産(8031)、住友商事(8053)、丸紅の五大商社です。この5社で指数の大半を占めます。
五大商社の利益の大きな部分は、資源です。鉄鉱石、石炭、LNG、銅。三菱商事や三井物産は、資源価格が上がると利益が膨らみ、下がると縮みます。伊藤忠は非資源の比重が高いので少し違いますが、指数全体としては資源の影響が強く出ます。
XLIの中に誰がいるか
XLIは米国の資本財セクターで、上位はGEエアロスペース、キャタピラー、RTX、ハネウェル、ユニオン・パシフィック。航空機エンジン、建設機械、防衛、鉄道です。
「モノを動かす会社」という意味では商社と近そうですが、XLIの会社は自分で作って売っています。資源価格が上がると、むしろコストが上がる側です。
XLEのほうが近い理由
XLEは米国のエネルギーセクターで、上位はエクソンモービル、シェブロン。原油とガスを掘って売る会社です。
原油やLNGの価格が上がると、XLEの利益も、五大商社の利益も増えます。同じ方向に動く理由がある。野村アセットマネジメントの業種解説でも、原油上昇時にTOPIXを上回りやすい業種として、商社・卸売がエネルギー資源や鉄鋼・非鉄と並んで挙げられています。
分類上はXLI、動きはXLE。これが1629を対応表で「△」にしている理由です。

ずれるところもある
商社がXLEと違うのは、資源以外の商売も大きいことです。コンビニ、食品、繊維、機械、発電事業。だから資源価格が下がっても、XLEほどは落ちないことがあります。
もうひとつ、2020年以降の商社株には「株主還元」という別の材料があります。バフェットの投資をきっかけに、増配や自社株買いが評価されて、資源価格と関係なく買われた時期がありました。この動きはXLEにもXLIにもありません。
私はこう見ています
1629は「原油とLNGの価格」と「株主還元の姿勢」の2つで動く、と見ています。原油が上がっているときにXLEと一緒に強くなり、原油が横ばいでも還元の材料で買われることがある。
だから順路のページでは、1629を「原油が上がるとき」に置いています。景気の局面よりも、原油の値段のほうが1629の説明になるからです。
セクターを選んだあと、いつ入るかはテクニカル分析のチャートで見ます。チャートの見方は、姉妹サイト nyanvest の教科書「日足・週足・月足の使い分け」にまとめています。