対応表では、1619(NF・建設・資材)の相手を、XLI(資本財)とXLB(素材)の2本にしています。記号は△で、欄には「米は住宅ITBが近い」と書きました。
米国のセクターETFには、1619にぴったり重なるものがありません。この記事は、その理由の話です。
1619の中に誰がいるか
1619はTOPIX-17の「建設・資材」に連動するETFです。東証の業種でいうと、「建設業」「ガラス・土石製品」「金属製品」の会社が入っています。
上位は、大和ハウス工業(1925)、鹿島建設(1812)、大成建設(1801)、大林組(1802)、積水ハウス(1928)、清水建設(1803)です。2026年7月の有価証券報告書では、上位10社のうち6社が建設業の会社で、残りはシリコンウェハーのSUMCO、ガラスのAGC(5201)、そしてセラミックスの日本特殊陶業(5334)とNGK(日本ガイシ)です。最上位の大和ハウス工業でも1割に届かず、1社への偏りは小さい箱です。
中身を分けると、大きく3つのグループになります。鹿島建設・大成建設・大林組・清水建設のようなゼネコン、大和ハウス工業・積水ハウス・住友林業(1911)のような住宅メーカー、そしてAGCのような建材の会社です。
米国では、別々の箱に入る
米国のGICSでは、この3つのグループが別々のセクターに分かれます。
ゼネコンのような建設工事の会社は「資本財」でXLIに、住宅メーカーは「一般消費財」でXLYに、セメントや砂利などの建設資材の会社は「素材」でXLBに入ります。
つまり、1619を米国の分類で分け直すと、XLI、XLY、XLBの3本に散らばります。対応表でXLI(米国・資本財)とXLB(米国・素材)の2本を並べているのはそのためですが、住宅メーカーの部分はXLY(米国・一般消費財)のほうに入ります。
XLIとXLBの中に誰がいるか
XLIの上位は、キャタピラー、GEエアロスペース、RTX、GEベルノバ、ディア・アンド・カンパニーで、建設工事の会社は上位にはいません。
XLBの上位は、リンデ、ニューモント、フリーポート・マクモランで、セメントや砂利のバルカン・マテリアルズとマーティン・マリエッタ・マテリアルズがそれに続きます。
どちらのETFでも、1619に近い会社は一部にすぎません。
1619 NF・建設・資材
上位の構成比
- 大和ハウス工業(1925) 6.35%
- 鹿島建設(1812) 6.33%
- 大成建設(1801) 5.27%
- 積水ハウス(1928) 5.23%
- 大林組(1802) 5.12%
出典:EDINET(金融庁)NEXT FUNDS 建設・資材(TOPIX-17)上場投信 有価証券報告書(2026年7月15日現在)をもとに sectormap.jp が作成
XLI
上位の構成比
- キャタピラー 8.51%
- GEエアロスペース 6.77%
- GEベルノバ 5.48%
- RTX 4.43%
- ボーイング 2.96%
出典:SEC EDGAR(Form NPORT-P、2026年6月30日現在)をもとに sectormap.jp が作成
XLB
上位の構成比
- リンデ 14.06%
- ニューモント 5.84%
- フリーポート・マクモラン 5.30%
- コルテバ 4.96%
- シャーウィン・ウィリアムズ 4.94%
出典:SEC EDGAR(Form NPORT-P、2026年6月30日現在)をもとに sectormap.jp が作成
構成比は開示資料の時点の値です。最新の組入銘柄は運用会社のページで確認してください。
住宅だけを見たいなら
対応表の欄に書いた「ITB」は、米国の住宅建設の会社を集めたETFです。住宅メーカーや、住宅に使う建材・設備の会社が入っていて、1619の住宅の部分と比べるなら、XLIやXLBよりこちらのほうが近くなります。

どこが連動して、どこが連動しないか
2本が同じ方向を向きやすいのは、金利が動くときです。住宅は借入れで買う人が多いので、住宅ローンの金利が上がると需要が落ちやすく、下がると戻りやすくなります。この仕組みは日米で共通です。
ずれやすいのは、それぞれの国の建設需要です。日本のゼネコンは、国内の公共工事や都市の再開発、工場の建設の動きで業績が変わります。建設資材の値段や人手不足で、工事の利益が圧迫されることもあります。これは米国のXLIやXLBには関係がありません。
私はこう見ています
1619を見るときは、「ゼネコン」と「住宅メーカー」の2つに分けて見ています。ゼネコンは国内の建設需要、住宅メーカーは住宅ローンの金利と、反応するものが違うからです。
米国と比べるなら、ゼネコンの部分はXLI、住宅の部分はITBと、分けて比べるほうが近道です。
セクターを選んだあと、いつ入るかはテクニカル分析のチャートで見ます。チャートの見方は、姉妹サイト nyanvest の教科書「日足・週足・月足の使い分け」にまとめています。