対応表では、東証の「不動産」(1633)を米国の「不動産」(XLRE)に対応させています。名前は同じです。
でも、この2本は別の生き物です。
1633の中に誰がいるか
1633はTOPIX-17の「不動産」に連動するETFで、上位は三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)、東急不動産ホールディングス(3289)、ヒューリック(3003)。日本の大手不動産会社です。
これらの会社は「持って貸す」と「開発して売る」の両方をやっています。利益の柱はオフィスなどの賃貸ですが、そこに分譲マンションやビルの売却が乗るので、景気や金利、都心の地価に敏感に反応します。REITと違うのは、貸すだけでなく、自分で土地を仕入れて建てて売る部分を持っていることです。
XLREの中に誰がいるか
XLREは米国の不動産セクターで、上位はプロロジス、アメリカン・タワー、エクイニクス、ウェルタワー、サイモン・プロパティー。物流倉庫、通信タワー、データセンター、高齢者住宅、ショッピングモール。
そしてほぼ全部が「REIT」です。REITは不動産を持って貸し、賃料の大半を配当として出す仕組みの会社です。開発して売るのではなく、持ち続けて配当を払う。株というより、利回りのある資産に近い動き方をします。
なぜ同じ「不動産」なのに違うのか
米国では、不動産会社の多くがREITの形を取っています。だから米国の「不動産セクター」=REITになります。
日本にもREITはあります(J-REIT)。ただ、日本の分類では、三井不動産のような不動産会社は「不動産」に入り、J-REITは別枠です。TOPIX-17の「不動産」にはJ-REITが入っていません。
つまり1633は「開発会社の指数」、XLRE(米国・不動産)は「REITの指数」。同じ言葉で違うものを指しています。

動き方の違い
開発会社は、景気が良くて金利が低いときに強い。地価が上がると保有資産の含み益が評価され、分譲も進みます。金利が上がると借入コストが増え、買い手のローン負担も増えるので弱くなります。
REITは、配当利回りで見られる資産です。金利が上がると、REITの利回りが相対的に見劣りして売られる。金利が下がると買われる。開発会社も金利には反応しますが、REITのほうが金利への反応がまっすぐです。
順路のページで1633を「回復(金融相場)」と「金利が下がるとき」に置いているのは、この2つの理由からです。
REITで揃えたいなら
米国のXLREと動きを揃えたいなら、見るべきは1633ではなく、東証REIT指数に連動するETF(1343など)のほうです。こちらはJ-REITの集まりなので、XLREと同じ「持って貸す」側の指数になります。
ただしJ-REITは、日本の金利と日銀の動きに直接反応するので、米国REITとも完全には揃いません。
私はこう見ています
1633は「都心の地価と分譲マンションの売れ行き」、REITは「金利と配当利回り」で動く、と分けて見ています。不動産という言葉でまとめずに、どちらの話をしているかを先に決める。それだけで見方がぶれなくなります。
セクターを選んだあと、いつ入るかはテクニカル分析のチャートで見ます。チャートの見方は、姉妹サイト nyanvest の教科書「日足・週足・月足の使い分け」にまとめています。