円高の局面でよく名前が挙がるのは、原材料を輸入する食品や、医薬品です。反対に、輸出の多い自動車や電機は弱くなりやすいとされます。対応表の業種でいうと、強くなりやすいのが1617(食品)と1621(医薬品)、弱くなりやすいのが1622(自動車・輸送機)と1625(電機・精密)です。
ここに書くのは、過去にそうなりやすかったという傾向です。いつもそうなるわけではありません。円安のときの話は、「円安のとき強い業種はどれですか?」に書いています。
輸出の会社:円に換えたときの売上が減る
自動車や電機の会社は、海外でドルなどの外貨で売上を得ています。円高になると、同じドルの売上でも、円に換えたときの金額が小さくなります。そのため、円高は輸出の多い会社の利益を押し下げやすくなります。
輸入の会社:仕入れが安くなる
反対に、原材料を海外から買う会社にとって、円高は仕入れが安くなる方向に働きます。小麦や大豆などを輸入する食品の会社がその代表です。
ただ、1617の最上位のJT(2914)は海外のたばこ事業が大きいので、JTにとっては円高は逆風です。同じ1617の中に、為替の効き方が逆の会社が入っています。
医薬品は、景気に左右されにくい業種として、円高で輸出株が売られる局面の受け皿になりやすいとされます。1626(情報通信・サービスその他)も、通信会社のように国内の需要が中心の会社を含むので、円高の影響を受けにくい側に数えられます。

チャートで見る
下のチャートは、1622(自動車・輸送機)の週足に、ドル円を重ねたものです。ドル円が下がる、つまり円高が進む時期に、1622がどう動いたかを見比べてみてください。このチャートの期間では、2025年の春にドル円が下がった時期に、1622も大きく下げています。ただ、この時期には米国の関税の話も重なっていて、円高だけが理由ではありません。

急な円高のとき
円高がゆっくり進むときと、短い期間で急に進むときでは、相場の反応が違います。2024年の夏には、円が短い期間で大きく上がり、輸出の多い会社の株が大きく下げた場面がありました。
米国ではどうか
円高・円安は、米国のセクターETFの選び方には直接は関係しません。ただ、円で米国のETFを持っている場合は、円高になると、円に換えたときの値段が下がります。
私はこう見ています
為替の局面を見るときは、ドル円のチャートと、1622・1617の2本を並べています。輸出の代表と輸入の代表を並べると、為替がどちらに効いているかが見えやすいからです。
セクターを選んだあと、いつ入るかはテクニカル分析のチャートで見ます。チャートの見方は、姉妹サイト nyanvest の教科書「日足・週足・月足の使い分け」にまとめています。