GICSの見直しで、米国のセクターはどう変わりましたか?

Q. GICSの見直しで、米国のセクターはどう変わりましたか?

GICSは、米国のS&PとMSCIが共同で管理している業種の分類です。数年ごとに見直しがあり、そのたびに会社が別のセクターへ移ります。セクターETFの中身もそれに合わせて入れ替わるので、同じ記号のETFでも、いつの時点かによって中身が違います。

主な見直し

2016年には、不動産が金融から独立して、11番目のセクターになりました。いまのXLRE(不動産)に入っている会社は、それまで金融に入っていた不動産会社やREITです。

2018年には、「電気通信サービス」が「通信サービス」に広がりました。アルファベット(グーグル)やメタが情報技術から、ウォルト・ディズニーやネットフリックスが一般消費財から移っています。XLC(通信サービス)ができたのは、このときです。

2023年には、ビザやマスターカードなど決済の会社が、情報技術から金融に移りました。給与計算のADPなど3社は、情報技術から資本財へ。同じとき、ターゲットやダラー・ジェネラルなど日用品を多く売る小売が、一般消費財から生活必需品に移っています。

年 何が変わったか 主な会社 移る前 → 移った後
2016年 不動産が11番目のセクターに 不動産会社・REIT 金融 → 不動産
2018年 通信サービスが広がる アルファベット、メタ 情報技術 → 通信サービス
2018年 通信サービスが広がる ウォルト・ディズニー、ネットフリックス 一般消費財 → 通信サービス
2023年 決済の会社が金融へ ビザ、マスターカード 情報技術 → 金融
2023年 給与計算などの会社が資本財へ ADPなど3社 情報技術 → 資本財
2023年 日用品を売る小売が生活必需品へ ターゲット、ダラー・ジェネラル、ダラー・ツリー 一般消費財 → 生活必需品
GICSの主な見直しを年の順に並べた図。2016年は不動産会社・REITが金融から不動産へ。2018年は情報技術と一般消費財から通信サービスへ移り、XLC(通信サービス)ができた。2023年は決済の会社が情報技術から金融へ、給与計算などの会社が情報技術から資本財へ、日用品を多く売る小売が一般消費財から生活必需品へ移った
GICSの主な見直しを年の順に並べた図。2016年は不動産会社・REITが金融から不動産へ。2018年は情報技術と一般消費財から通信サービスへ移り、XLC(通信サービス)ができた。2023年は決済の会社が情報技術から金融へ、給与計算などの会社が情報技術から資本財へ、日用品を多く売る小売が一般消費財から生活必需品へ移った

ETFの中身はどう変わったか

2023年の見直しで、XLK(情報技術)からは、上位にいたビザとマスターカードが抜けました。そのぶん、XLK(米国・情報技術)はアップルやマイクロソフト、エヌビディアのような会社への偏りが強まっています。

反対に、XLF(金融)は、銀行や保険に決済の会社が加わった箱になりました。XLF(米国・金融)の中身については、「銀行ETF(1631)はXLFの日本版ですか?」に書いています。

長い期間のチャートを見るときの注意

セクターETFの長い期間のチャートを見るときは、途中で中身が入れ替わっていることに気をつけてください。たとえば、2023年3月より前のXLFには、ビザやマスターカードの動きは入っていません。2018年より前のXLKには、アルファベットやメタが入っていました。

同じ記号でも、見直しの前と後では、違う中身の箱を比べていることになります。

日本の業種は?

東証の業種も、会社ごとに見直されることはありますが、GICSのように分類の枠組みそのものが大きく変わることはあまりありません。TOPIX-17の17業種の分け方も、長く同じ形が続いています。日本と米国の分け方の違いは、「同じ会社が、日米で違う業種に入るのはなぜですか?」に書いています。

私はこう見ています

米国のセクターETFについての記事を読むときは、それがいつ書かれたものかを確かめるようにしています。2023年より前の記事で「XLKにはビザが入っている」と書かれていても、いまは違うからです。

セクターを選んだあと、いつ入るかはテクニカル分析のチャートで見ます。チャートの見方は、姉妹サイト nyanvest の教科書「日足・週足・月足の使い分け」にまとめています。

関連する質問

毎週日曜に、今週のセクターをメールで届けます

その週に強かった業種・弱かった業種と、そのきっかけをまとめて届けます。登録は無料で、いつでも解除できます。