物価が上がる局面でよく名前が挙がるのは、原油や資源、金属の値段がそのまま売上に乗る業種です。対応表でいうと、1618(エネルギー資源)、1629(商社・卸売)、1623(鉄鋼・非鉄)です。反対に、仕入れや燃料が重くなる1617(食品)、1630(小売)、1628(運輸・物流)は、弱くなりやすいとされます。
ここに書くのは、過去にそうなりやすかったという傾向です。いつもそうなるわけではありません。
物価が上がると、業種はどう分かれますか?
物価が上がるとき、会社にとっては「売る値段」と「仕入れの値段」の両方が上がります。どちらが先に、大きく上がるかで、業種の明暗が分かれます。

原油や金属のように、物価の上昇そのものが「売る値段」になる業種は、売上が先に伸びやすくなります。原油の話は「原油が上がると、どの業種が話題になりますか?」にくわしく書いています。
仕入れが重い業種は、ずっと弱いのですか?
そうとは限りません。値上げが通れば、少し遅れて利益が戻ることもあります。同じ食品や小売の中でも、値上げを通せる会社と通せない会社で、差がつきます。

ほかに代わりが少ない商品を持っている会社や、原材料の割合が小さい会社は、物価高の影響を受けにくいとされます。業種ETFは業種の中の会社をまとめて持つので、こうした会社の差は、ETFの中で打ち消し合うこともあります。
金利や為替とは、どうつながりますか?
物価が上がり続けると、中央銀行が金利を上げることがあります。そうなると、金利が上がるときの話(銀行に追い風、不動産に向かい風)も重なってきます。
また、日本では円安が物価を押し上げることがあります。円安のときに話題になる業種は「円安のとき強い業種はどれですか?」にまとめています。インフレの話は、原油・金利・為替の話と一緒に動くことが多いので、どれが主役になっているかを分けて見るのが近道です。
米国ではどうか
米国でも、物価が上がる局面では、XLE(エネルギー)やXLB(素材)が話題になりやすいとされます。反対に、XLP(生活必需品)は原材料が重くなる一方で、値上げを通しやすい会社も多く、どちらに出るかは時期によって違います。XLY(一般消費財)は、買う人の財布が細ることで弱くなりやすいとされます。

チャートで見る
1618(エネルギー資源)と1617(食品)の週足を、左端を0%として並べたものです。同じ物価の話題でも、原油に近い業種と、仕入れが重くなる業種とで、動き方がずれる時期があります。

このチャートをTradingViewで開く:1618(エネルギー資源)・1617(食品)(紹介リンクです)
私はこう見ています
私は、物価のニュースが続くときは、米国のCPI(消費者物価指数)の発表の日を手帳に入れています。発表のあとに、1618や1623の週足がどう動いたかを、毎月同じ形で見比べています。発表の日の見方は「米国のCPI・雇用統計の発表の日、業種ETFはどこを見ればいいですか?」に書いています。
セクターを選んだあと、いつ入るかはテクニカル分析のチャートで見ます。チャートの見方は、姉妹サイト nyanvest の教科書「消費者物価指数(CPI)とは?」にまとめています。