景気後退が心配されるときによく名前が挙がるのは、景気に左右されにくいディフェンシブの業種です。対応表でいうと、1617(食品)、1621(医薬品)、1627(電力・ガス)です。反対に、1624(機械)、1623(鉄鋼・非鉄)、1622(自動車・輸送機)のような景気敏感の業種は、売られやすいとされます。
ここに書くのは、過去にそうなりやすかったという傾向です。いつもそうなるわけではありません。
なぜ、シーソーのように分かれるのですか?
景気が悪くなると、企業の設備投資や、車のような大きな買い物が後回しになりやすくなります。一方で、食べ物や薬、電気やガスは、景気が悪くても使う量があまり変わりません。

ただ、ディフェンシブの業種も、相場全体が下がるときは一緒に下がることがあります。「上がる」より「下がり方が小さい」という形が多いと考えておくほうが、実際に近いと思います。2つの違いは「景気敏感株とディフェンシブ株は、何が違いますか?」に書いています。
米国ではどうか
米国でも、景気後退が心配されるときは、XLP(生活必需品)、XLV(ヘルスケア)、XLU(公益)が選ばれやすいとされます。反対に、XLI(資本財)、XLB(素材)、XLY(一般消費財)は売られやすいとされます。

ただ、組み合わせによっては中身がかなり違います。1621は製薬だけですが、XLV(米国・ヘルスケア)には医療機器や健康保険の会社も入ります(「医薬品ETF(1621)はXLVの代わりになりますか?」)。
「心配」と「後退」は、どう違いますか?
株価は、景気そのものより先に動くことが多いとされます。景気が実際に後退する前の「心配される」段階で、業種の強弱が入れ替わり始めることがあります。

心配だけで終わり、景気が後退しないこともあります。そのときは、いったん入れ替わった業種の強弱が、また戻ることもあります。景気の局面を見る指標は「景気の局面は、どの経済指標で見ますか?」にまとめています。
金利とは、どうつながりますか?
景気後退が心配されると、金利が下がる方向に動くことがあります。そのときは、金利が下がるときの話(不動産や電力・ガスに追い風)も重なります。電力・ガスは、ディフェンシブであることと、金利が下がると借入れの負担が軽くなることの、2つの理由で名前が挙がりやすい業種です。
チャートで見る
1617(食品)と1624(機械)の週足を、左端を0%として並べたものです。景気に敏感な機械と、ディフェンシブとされる食品とで、上がり方・下がり方の大きさが違う時期を見比べられます。

このチャートをTradingViewで開く:1617(食品)・1624(機械)(紹介リンクです)
私はこう見ています
私は、景気後退の心配が出てきたら、1617と1624の週足を並べて見ています。2本の強さが入れ替わり始めたかどうかが、相場の空気が変わったかどうかの手がかりになると考えているからです。きっかけごとの業種の並びは、順路のページにまとめています。
セクターを選んだあと、いつ入るかはテクニカル分析のチャートで見ます。チャートの見方は、姉妹サイト nyanvest の教科書「日足・週足・月足の使い分け」にまとめています。